映画『天地明察』から見る、日本暦の歴史

映画『天地明察』から見る、日本暦の歴史

現在使用されている暦についてその歴史を紐解いた映画『天地明察』が公開され、意外と知らない日本の暦形成までの苦悩と葛藤を知ることになった作品だ。何気なく使用しているカレンダーは、まだまだ世界でその技術を切磋琢磨して形成している。ここは天地明察のテーマにもなった暦を、ここでは映画と小説の内容と共に考えて考察するサイトとなっている。

暦について

時間の流れを読み解く方法

さて、ここからは沖方氏が敬愛していると称する渋川春海が研究し、ようやく完成した日本固有の暦を作成することに成功している。ではここで改めて『暦』について少し調べてみようと思う、ただそこまで詳しく調べようと思った人はそれほどいないかもしれない。それでも簡単な知識として備わっていると思うのでまずは一般的な概念として暦とは何なのかだが、

『時間の流れを年・月・週・日の単位に当てはめることによって体系付けたもの』

というのが暦であるとして述べることが出来る。今でいう『カレンダー』の誕生がその起源へと繋がっている。カレンダーに対して疑問を持ったことがあるという人は少なくないだろうが、改めて研究しようと考えるまでには至らないと思う。中々マイナーな研究分野であり、そして調べるとなればそれこそ日本だけでなく世界各地の暦についても知識を得ていなければならない。そして暦がどういうものなのかを知ると同時に、その暦を計算する方法として『暦法』といったものも学ばなければならない。

そんな暦について、ここからはこれまで意外と知らずにいた暦について学問として考察を交えながら話をしていこう。

どうして体系付ける必要があったのか

そもそもどうして時間の流れを一定した単位で決めなければならなかったのかについてだが、その理由として挙げられる最もなものは『農業』だ。日本だけでなく、世界規模において農業は古代から続く伝統的な作物の育成手段だ、自然の力を借り、自然と共に生きることでその恩恵を受ける、今でもその寵愛を受け続けている。しかし農業は人力だけでは成り立たない、作物を栽培できるように土地環境を整理してあげるのは人間として大事な役目だが、それより最も重要なのは太陽から受ける直射日光だ。日光を受けることで植物の体内バランスは整えられ、それによって豊穣とした作物が採取され、肥沃であるようにと、人は願い続けている。

しかし人間の思惑とは裏腹に、天候はその意志に沿って力を貸してくれない。筆者は子供の頃、天気について非常に気まぐれな性格をしているんだなぁと、そんなことを考えていた。ただ言い方と表現については間違っていないと思う、いまだに人間は天候によって生活を左右されることになるからだ。2014年だけでも広島を襲っ大豪雨により人命が失われた事件もあり、時に人間に生きるための力を与えながら、また時に無常なまでにその命をもぎ取るようにその猛威を示すこともある。

日本にはまだ砂丘こそあれど、砂漠は存在していないため、農業をするという意味では世界的な尺度で考えればそれなりに恵まれているといえるだろう。アフリカ大陸方面などの広大な土地の中で農業を営むとなったら、豊穣神の恩恵があったとしても人として強いられることになる莫大な投資は計り知れない。また天候などをキチンと計算し、気温や時期的な環境で適切な農業を見定めるために暦を作成しなければならなかった。これが時間を位置づける必要性となっている。

暦という言い方
当然のように使用しているが、暦という言葉の語源について知っているだろうか。この言葉の起源は江戸時代において『日読み』から暦へと変遷を重ねていくことによって作られていき、その後一日・二日と正しく数えることを意味するように利用することこそ、正しい使い方として認知されていった。
中国における暦
元は中国の暦を利用していた日本だが、そもそも中国では暦をどういった用途で使われていたのかについてもここで簡単に説明してみようと思う。現在でもそうだが、中国において暦とは常に『未来』を意味しており、過去のことを意味していない、もし以前の何かといったものに矢印を延ばすとしたら『歴』を使用しなければならない。また暦を研究する人は昔は天体と歴史の両方を研究することが兼ね備えられており、暦は未来を知るために必要な技術として占星術にも大きく関わっている。何だかんだで現代人の生活においても密着した形なのかもしれない。

暦法の種類

中国において未来を知る術として利用されている暦、性質的には世界共通の意味として罷り通るだろう。事実、古代エジプトでも先述した農業において適切な作業が出来るように計算しなければならなかった事が起点だ。計算方法として、まずは昼夜の周期が日となり、月の満ち欠けの周期を月に、季節の周期を年として固定していった。こうして出来上がったのが暦法であり、この計算方法は天体運動の周期性に基づいており、この観測と周期性を研究する事が暦を知ることにおいて何よりも重要であるとされる。この暦法は後の天文学の基礎となるのは、少し先のことだ。

さて、そんな暦法についてだが世界的に見ると具体的に分ければ三つある。

太陽暦
太陽の周期を元にした暦法
太陰暦
月の満ち欠け周期を元にした暦法
太陰太陽暦
太陰暦を元にして、閏月も挿入することで季節のずれを修正した暦法

この三つの暦法が古代から伝わる世界共通であり、暦を計算する方法となっている。